その日。
アラーナの採寸が終わったアランは再びロアの部屋の前にいた。
帰ってくれと言われるのに…
再びここに足を運んでしまう自分に少なからず疑問を感じる。
ロアの部屋のドアを見上げながらはぁとひとつため息を吐く。
「いったい俺は何がしたいんだ」
そもそもロアのあの態度に不信感を覚え仕事を断ったのだ。
しかし、今の自分はアラーナの採寸という事を利用してロアに会いたがっている。
あんなに冷たく突き放されたのに…
「俺もずいぶん世話焼きになったな」
そう呟いてフッと微笑むと、静かに扉を叩いた。
「ロア様?いらっしゃいますか?」


