運命の恋



「昨日姉様の所に行ったのっ…その…ドレスを仕立ててもらったらって…」



だんだんと口ごもるアラーナに、採寸の手を動かしながらアランが聞き返した。



「それで、ロア様は何とおっしゃってましたか?」



返事はおそらく…



「……私には、必要ないと…」



やっぱり。



アランはロアらしい発言にわずかながら笑みがこぼれてしまう。



そんなアランに気付き、首を傾げながらアラーナが訪ねた。



「どうしたの?」

「あ…いえ…」



さすがに、ロアらしいと思って思わず笑いが込み上げたなどとは言えずアランは言葉を濁した。



そんなアランの態度にアラーナはますます首を傾げたが、アランに再び体を採寸されたためこれ以上何も言うことはできなかった。