「うっ……」 溢れ出る涙… 「私はもうすぐ死ぬのに…」 自分とアラーナは違う。 これから輝かしい未来が待っているアラーナと、死しかまっていないロア。 私は…死ぬ… こみ上げる死の恐怖に、ロアはただただ耐えるしかなかった。 そんな時、ふと浮かぶアランの笑顔… アラーナの口から彼の名前を聞いた時、胸が熱くなった。 頬に伝う涙を拭くと、顔を上げたロアが見つめたのは空に輝く美しい月。 そんな月を見ながら、ロアはポツリと呟いた。 「ア…ラン……」