運命の恋



国王アルヴィンの声にはっとしたアランはゆっくりとアルヴィンの元へ歩みよった。



王の前まで行くと、アランはひざまずき頭を下げた。



「それ程堅苦しくなくともよい。
私に話したい事があるのだろう?」

「……はい」



アランがゆっくりと顔を上げると、目の前には頬杖をつき椅子に座るアルヴィンの姿があった。



ごくり……



掌から吹き出る汗に、自分がいかに緊張しているかが嫌でも伝わってくる。



「…仕立て屋の、アランと申します」



しんと静まり返る謁見の間に、アランの声が響きわたる。



「この度は、第一王女ロア様の誕生の宴のドレスの仕立てに私を選んで頂いた事、心より御礼申し上げます…」



そこまで言うと、アランは一旦視線を少しだけ下に移した。



断っても…いいんだろうか…