(誰もいないのか…)
失礼な事とわかりつつも、アランはドアのノブに手をかけそっと回した。
――ガチャリ…
(開いてる…?)
そのままドアを開けて部屋の中を見たアランの瞳に映ったのは、窓辺に腰掛ける女性の美しい金の髪だった。
(なんて美しいんだ…)
アランは暫くその美しい金の髪から目が離せなくなった。
しかし、次の瞬間。振り向いた女性を見てアランの胸は激しく高鳴った。
その美しい髪と同じ金の瞳が、彼女の白い肌によく栄えている。
まるで美しい絵画か彫刻からそのまま抜け出てきたかのような姿にアランは釘付けになった。
「あら?まさかあなたが仕立て屋の方ですか?」


