今から三日前。
突然城から一通の手紙が届いた。
その手紙には、20歳の誕生日を迎える第一王女にぜひドレスを仕立ててほしいという事が書かれていたのだ。
「王女のドレスか…」
アランは悩んでいた。
城の仕事を受けてしまえば、いつも店に来てくれているお客の仕事を断らなければならなくなるかもしれない。
アランにとって気掛かりなのはそこだった。
それに…
「第一王女、か…」
第二王女はよく宴に出席している姿を見ていたので姿は知っているが、第一王女は今まで一度も見たことがなかった。
「明日直接言って断ってこよう」
アランは、手紙を机に置くと再び店の奥で頼まれた仕事をやり始めた。


