思わず倒れそうになる衝撃に耐え、ゆっくりと目の前に視線を向ける。
アルヴィンの胸ぐらを思い切り掴み、今にも殴りかかりそうな瞳で睨みつけるアラン…
そんなアランを、止めに入ろうとした医師を手で静止して、アルヴィンもじっと見つめ返した。
「なぜ……」
まるで、地の底から這いだしてくる何かのような低い声…
「なぜ…俺に彼女のドレスを依頼したんだッ!!」
『もうすぐできますからね』
『きっと似合いますよ』
『パーティー…楽しみですね』
知っていれば…
「知っていればあんな事言わなかったッ!!」
あなたを苦しめる言葉なんて…
その時、何も言わずじっと聞いていたアルヴィンがアランの胸ぐらをつかみ返した。


