「ロアが受けた予言…それは…」



ごくりと誰かが唾を飲み込む気配がした。



「20歳の誕生日に…その生涯を閉じる…そういうものだ」



アラーナは、あまりの事に頭がついていかず理解できないといった様子でアルヴィンを見つめている。



「ロアは自分でもその予言を知っている。だからずっと部屋に閉じこもり心を閉ざしていたのだ」



アルヴィンの言葉に、アラーナは目を見開いたまま両手を自分の頭に当て、まるで信じないというように頭を振りながら小さな口を開いた。



「20歳って…姉様が死ぬなんて…」

「アラーナ様…」



あまりの様子に、見ていられなくなったセルマは思わずアラーナを抱きしめた。



「だって、やっと家族で食事が…ドレスだって……」

「アラーナ様ッ!お気を確かに!」



まるで叫ぶように泣き崩れるアラーナを支えるセルマ。



そんなふたりを、見ていられないと目をそらしたアルヴィンの体に、強い衝撃が走った。