運命の恋



そしてロアを立たせると、雨に濡れないよう庇うようにしながら建物へと走った。



「はぁ、はぁ…」



城へ入ったふたりはそこで乱れる呼吸を整える。



「あんなに晴れてたのに、災難でしたね」



そう言ってロアの元へと視線を向けるアランの目に飛び込んだのは…



「ロア…さま…?」



ぐらりと傾いていくロアの姿。



ゆっくりと、まるでスローモーションのように倒れていくロアの体を、はっとしたアランはすぐさま腕の中に抱き留めた。



青白い顔で、今にも途絶えてしまいそうなか細い呼吸。



「ロア様…」



全身の血が、一気に引いていくような気がした。



「ロアさまッ!!!」