運命の恋



――――――


「ロア様、寒くないですか?」

「ええ…大丈夫よ」



部屋をでる前に、アランはできるだけロアに厚着をさせた。



そして、ロアを気遣うように、その小さな手をとってゆっくりと廊下を進んでいく。



ロアの部屋は城の奥にあるため、廊下を歩いていても人に会うことは全く無く、簡単に庭にたどり着く事ができた。



まるでこっそりと姫を連れだそうとしているようで、どうしてもアランは周囲が気になってしまっていた。



しかし…



「綺麗…」



そう言ってゆっくりと庭へと歩みを進めるロア。



幸いにも天気はこれでもかというくらいの快晴。



その太陽の光を直に浴びるロアの姿があまりにも美しくて…アランの中にあったロアを連れ出したという罪悪感は溶けるように消えていった。



(まぁ…天気もいいし、少しだけなら…)