運命の恋



その時、戸惑うアランの正面に向かい合うように、ロアが立ち上がり歩み寄ってきた。



アランの正面まで行くと、体の前で組んだ両手をぎゅっと握りしめながらゆっくりと顔を上げた。



「アラン…我が儘を言っていると言うことは十分わかってる…でも、どうしても外へ行きたいの…」



アラン、あなたと一緒に…



そんなロアの心の中までを知ることのないアランは、尚も眉間にしわをよせ悩んでいた。



自分を見つめる彼女の瞳…



なぜだか、今日はその瞳が揺れている気がする。



目の前にいるのに…なぜかアランはロアがこのまま消えてしまうような気がした。



「…わかりました」

「え…?」

「外へ…行きましょう」



そう言って差し出されたあなたの手…



この手がついていれば…何だってできる気がした…