生まれながらに悲しい運命を背負っている姫、ロア。
もし彼女が普通の19歳の姫であったなら……
きっと普通に恋をして、結婚をして幸せに暮らしていただろう…
しかし、今の彼女にはそんな事はどうでもよかった。
ただ機械的に毎日を過ごすだけ…
悲しい運命は彼女の心から完全に光を消してしまったのだ。
ロアは今日も部屋の窓際に腰掛けてぼんやりと外を眺めている。
太陽の光で美しく輝く金の髪も、透き通るように白い肌もいつもとなにも変わらない。
そんなロアを見て、セルマは胸が締め付けられる思いで一杯になるのだった…
「ロア様…」


