「ッ……」 セルマの言葉を聞いた瞬間、ロアの唇が何か言いたげに動いた。 しかし…何も言い出せなかった。 これ以上はセルマに迷惑をかけてしまう、そう思い言い止まったのだ。 「ごめんなさい、忘れてちょうだい」 「姫さっ…」 「もう…眠るわ…」 セルマの言葉を遮るようにそう言うと、ロアはゆっくりと立ち上がった。 そんなロアに、セルマは何も言わず静かにお辞儀をすると部屋を後にした。 「ごめんね…セルマ…」 誰もいないドアに向かってそう言うとロアは再び外の月を見つめた。