「すみません姫様、遅くなってしまいました」 パタパタと部屋に入ってくるセルマの足音で、ロアははっと我に返った。 「ありがとう」 そう言うとロアはソファーへと移動した。 何気ない朝の一時。 しかしもう前とは違う。 なぜなら… 「セルマ、アランは…まだ?」 「そうですね。きっともうすぐいらっしゃると思いますよ」 笑顔で答えるセルマに、ロアは再び煎れられた紅茶に口をつけた。 あの人がいるから、もう今までとは違う…