「あんなに笑顔のお父様とお母様…久しぶりに見た…」
窓からぼんやりと外ん眺めながら、ポツリとロアは呟いた。
今回、ロアは自ら朝食に参加したいとセルマに頼み込んだ。
毎日毎日懸命にドレスを作るアラン。
元はといえば、ロアがわがままを言ったせいなのだ。
父と母を喜ばせるために、一日も早く完成させてほしい…
しかし、自分自身はふたりを喜ばせるために何かしたのか…そういった考えがロアの行動を引き起こすきっかけになったのだ。
思い起こせば、自分は父と母を泣かせてばかりだった。
この時、ロアは生まれて初めてこれまでの人生を悔いた。
そして…
自分の運命を呪ったのだ。


