ロアがここまで変われたのは…あの青年のおかげなのだろうか…
なぁ…セルマ…
アルヴィンは部屋の端に立っているセルマに視線を送った。
すると、その視線に気付いたセルマはにっこりと微笑んだ。
その通りだと…言っているように…
「お父様?」
はっとして声のした方を見ると、アラーナが笑顔でアルヴィンを見つめていた。
気がつけば、ロアの前にも料理が運ばれおいしそうな香りが漂っている。
「では、いただこうか」
家族は笑顔で朝食を楽しんだ。
ただの朝食…しかし彼らにとって一日一日が大切なのだ。
ロアと生きる、一日一日が…
ただの朝食も、彼らにとっては他の何にも代え難いものなのだった。


