「ロア…」
ロアの背中に、じんわりと温もりが広がった。
「お母さ…」
「ロア」
ロアを優しく抱きしめるフェリシア。その瞳には涙が浮かんでいた。
「よく、よくきてくれました…」
フェリシアの涙に、思わずロアの胸がじんと熱くなった。
寄り添うふたりを笑顔で見つめていたアルヴィンは、立ち上がりふたりの肩を抱くとそのままテーブルの方へと移動した。
「さあ、家族みんなでの食事だ」
そう言いながら、ふたりをそれぞれの椅子へと座らせたのだ。
家族揃っての食事など、もう…できないと思っていた…
目の前に確かに存在しているロア。
アルヴィンも目頭が熱くなるのを感じていた。
アラーナもまた、笑顔でロアを見つめている。


