【禁断の恋】赤い嘘【完】

「ごめんなさい。気持ちは嬉しいんだけど椎名くんとは付き合えない。
私、好きな人がいるから……」


私には星矢がいるから。


振り向いてもらえなくても、想いを伝えられなくても。


この気持ちは絶対に揺るがないから。


「……そっか。何となく分かってたよ。佐原の好きな人って、星矢先輩?」


「え……?何で星矢なの?」


「いつも、星矢先輩の事目で追ってるから。俺が佐原を目で追うように……」


そう言うと椎名くんはふっと力なく笑った。