【禁断の恋】赤い嘘【完】

「そういえば、担任が化学室の机の上からプリント取ってきてみんなに配れって言ってたよ?」


「えぇ……やだなぁ……めんどくさい」


何で高校生にもなって日直なんてものがあるんだろう。


化学室は別館の校舎の端にある。


それに化学を担当する担任の刷るプリントの枚数は桁はずれだった。


「しょうがないって。俺手伝うよ?」


椎名くんのような優しくて頼りがいのある男子とペアがよかった。


日直の日になると必ずといっていいほど、私とペアを組んでいる男子は学校を欠席する。


「やっぱり来てない……」

そして今日もあいうえお順でペアになった斉藤くんの席は空席だった。


「ありがとう」


私はお礼を言い椎名くんと二人で化学室に向かった。