「……いつまで寝てんのよ!」 背中に痛みを感じ目を開けると、そこには口をへの字にした女が立っていた。 「………んっ!んっ……」 『離して!!!』 そう叫びたいのに、口はガムテープのような物で塞がれ声が出せなかった。 手足を固く縛られ床に寝ころんでいる私を踏みつけると、女は私を見下ろしこう言った。 「もうすぐあんたのお兄ちゃんが来るわよ。あんたに恨みはないけど、恨むならあんたの兄貴を恨みな」 女は鬼のような形相を浮かべ、壁にもたれ掛かりながら腕時計を確認した。