「よし。そろそろ教室戻ろうか?」


「だね」


予鈴が耳に入り、あたし達は制服に着いた汚れを手で払い立ち上がった。


「今日の5限って古典だっけ?」


「そうそう。なんか小テストやるらしいよ?」


「嘘?!勉強してないし!姫華勉強した??」


「……してるわけないよ」

「だよね!」


普段と変わらぬ会話をして平常心を装う。


『間に受けるんじゃねぇよ』


でも私の心は、さっきの星矢の一言でズタズタに切り裂かれていた。