再び、神界。


「時の井戸」と呼ばれる水鏡に映されたこの光景を眺めていたのは、時空局局長のサラタイエルと、運命局局長のバラディエルだった。


「………………どーしよ……。」


自らの公私混同がこのような混乱を招いた事に顔面蒼白なサラタイエル。


一方のバラディエルは、


「あー、いーんじゃないの?別に。」


ハナクソをほじりながら水鏡を見ている。


「いいワケねーだろが!上にバレたら始末書ぐれえじゃ済まねえぞ?!あぁ、母ちゃんゴメン、老後の計画がパーだぁぁぁぁ………。」


「うんにゃ、だから、ちゃんと事後処理すりゃ大丈夫だってばさ。」


あくまで緊張感の無い同僚だったが、サラタイエルにとっては、彼の言葉だけが最後の希望だった。


「本当だな…………。ホントに、大丈夫なんだな!!」


「心配すんなって。ホラ見ろ、場面変わったぞ。」


水鏡が、さらに違う場面を映し出しはじめた────。




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