オフィスレディの裏の顔

 数日後、鶴見さんから大事な話があるからと会社帰りにお茶に誘われた。

「俺たちのことで迷惑かけてごめんね。」

「かまいませんよ〜。」

「単刀直入に言うけど・・・あいつ妊娠してるの?」

「えーーっ!!」

「あっ、いや、今のは質問だったんだけど、美鈴ちゃんが驚くってことは違うよね?」

「知りませんよ〜。私に隠してるだけかもしれませんし・・・妊娠してるってマリコに言われたの?」

「はっきり言われたわけじゃなく、ほのめかすんだよ。」

「そんな大事なこと、私じゃなく本人にはっきり聞けばいいじゃないですか!」

「それが・・・言わないんだよ。」

「私からも聞けないですよ・・・」

「そうだよな。」

そのとき私はふと思い出した。こないだマリコが、妊娠してると言って脅してやりたいと話していたことを。怒りの度合いを表すためのジョークなんだと思っていたけど、ジョークなのか妊娠が事実なのか私にはわからなくなった。

「私もマリコと話してみますけど、真意を確かめれるかわかりませんよ。」

「迷惑かけて本当にごめん。」

そうして衝撃をくらった私は、そのあとマリコとどう接したらいいか不安になっていた。会社のランチ時間に聞ける内容ではないので、その日の夜、マリコにメールした。

「マリコ、起きてる?最近たまに悩んでるような顔するけど、何か困ってたら役にたてるかわからないけど・・・話くらいは聞けるから遠慮しないで話してね。」

彼女からの返信は明日話すね、の一言だった。