オフィスレディの裏の顔

「変なこと聞くけど、マリコがオレと付き合ってた期間、他にも男いた？」

「私の知る限りは鶴見さんだけだと思いますけど、どうして？」

「いや、いいんだ。色々聞いてくれてありがとう。また何かあったら相談していいかな。」

「はい。お役にたてるかわからないですけど。」

「今日のこと、マリコには内緒ね。」

「もちろんです。」

鶴見さんとはそのまま会話を終えた。相談というかしこまった内容はなかったけれど、さっきの意味深な発言が何だったのか私は気になっていた。彼はマリコが浮気してると勘違いをして、それが原因で別れてしまったのなら私はマリコにそのことを伝えてあげたほうがいいのではと迷っていた。真相を確かめるべく、翌日会社のランチ時間に聞いてみた。

「マリコ、鶴見さんとプライベートでは全く連絡とりあってないの？」

「うん、会社の喫煙所で会ったら話すくらい。」

「あ、そうなんだ。」

「連絡しても奥さんの話しばかりされてむかつくだけだし。」

「そっか。」

「向こうから連絡もこなくなったし、赤ちゃんできたとか言って脅してやりたいくらい！」

「そこまでむかついてるのか・・・ごめん、嫌なこと聞いて。」

「あ〜冗談だからね。美鈴は悪くないんだから気にしないでよ〜。」

「う、うん。」

なんだか嫌なことを思い出させてしまったかなと思い、そのあとすぐに話題を変えた。けれどなんだか腑に落ちない。お互いが何か私に隠している気がする。まぁ、私は当事者ではないから全て事実を知る必要はないけれど。それでもなんだか中途半端な気持ちだった。ここから私とマリコの間に溝ができはじめた。