オフィスレディの裏の顔

 その日以来、私たちの会話に鶴ちゃんが登場することはなかった。職場で向かい席のマリコと鶴ちゃんは、以前なら一緒にタバコ部屋へ行ったり会話も多かったけど、最近はめっきり会話も減り、それでもたまに周囲の人が冗談を言うと一緒に笑ったりして、私が見る限りではマリコは彼のことはふっきっれているようだった。だけど意外なところから真実を知ることになった。鶴ちゃんが会社のメールでこんなことを言ってきた。

「美鈴ちゃん、お疲れ様。マリコには内緒で相談をしたいことがあるんだけどいいかな?マリコから僕のこと何て聞いてるかわからないし、気がすすまないなら無理にとは言わない。ただ僕がこうして美鈴ちゃんに連絡したことはマリコには内緒にしてほしい。」

自分より年上の男の人から相談を受けるなんて初めての経験だった。しかも恋愛の・・・私の中では男とは堂々と自分の思うままに、そして悩みなど表に出さない、そんな絵図があったから、彼の行動に戸惑った。親友に内緒で、親友を悲しませた相手の相談にのると言うのはありなの?マリコに対して罪悪感を感じつつ、私は彼のメールに返信した。

「お疲れ様です。私は構いませんよ。鶴見さんは前の奥さんと復縁されてマリコとは別れたと聞いてますが・・・マリコの相談?」

すると鶴見さんは会社のメールでは相談しずらいから、自宅のメアドを教えてほしいと言ってきた。なぜ電話じゃないんだろ?そう思いつつとりあえず自宅のメアドを教えた。