オフィスレディの裏の顔

「おじさんJALやANAの株も持ってるじゃん!人事権もってないの?」

「なんだ、君はキャビンアテンダントになりたいのか?」

「そう!でもコネがないと受からないって噂で聞くし・・・」

「そうか。私が口利きしてやってもいいぞ。」

私は未希の耳元でささやいた。

「やめときなよ〜。こんな巻物作るだけなら誰にでもできるし、嘘かもしれないじゃん。」

オジサマはすぐ近くにいたので私の囁きは聞こえていた。

「嘘だと思ってるんだね?ちょっと待ってなさい。」

そう言ってオジサマは何かを取りに一旦部屋を出て行った。巻物を残して・・・

「ちょっと美鈴!これはチャンスだよ!」

「え〜・・・騙されてるんじゃないの?」

「嘘だったとして、何か私たちに被害がある?美鈴もスッチーの試験受けるならお願いしておこうよ!」

「・・・」

少したって部屋に戻ってきたオジサマの手には、巻物に記載されてた企業の1つの株の証書だった。

「お嬢さんたち、これで私を信用してくれるかな?」

「私には本物か偽物かわからないし・・・」

「まぁそうだな。じゃあ、明日渋谷の××ビルに私宛に訪ねてくるがいい。私の名前は・・・」

そう言ってオジサマは私たちに本名を教えてくれた。私たちはオークラというあだ名をつけた。大蔵大臣からもじって。

「恐らく君たちのようなお嬢さんは受付で怪しまれて拒否されるだろう。ガードマンもいるし。でもそこで知り合いと言いなさい。そうだ名前を聞いておこう。」

そう言って紙とえんぴつを渡された。

「そちらのキャビンアテンダントになりたいお嬢さんは・・・そうだな。ANAの株を譲ってあげよう。」

私たちは戸惑い顔を見合わせた。

「君にも好きな企業の株を譲ろう。まぁ、急に言われても困るだろうから一晩寝て考えなさい。私は部屋に戻るよ。」

私たちは言われたとおり考えながら寝入った。