ヒルズの最上階にはヒルズクラブの会員しか利用できないレストランがある。その下の階には、やっぱり会員専用の図書館があり、私たちはそこでお相手の方と待ち合わせをした。

「紀香ちゃん、お待たせ。」

「お久しぶりです。こちら美鈴ちゃんです。」

「はじめまして。マイクです。」

「はじめまして。水沢です。」

見た目、おチビでおデブなどこからどうみても日本人なのに、なぜマイク?私は心の中で笑った。だけど・・・なぜかこーゆーイケてない人に私は好かれる。

「美鈴ちゃんは何やってるの?紀香ちゃんとはどういうつながり?」

質問攻めに面倒くさそうな表情をしてしまった私に気づいた紀香さんが助けてくれた。

「お話はお食事しながらゆっくりしましょ。」

そして紀香さんはこっそりと私に、

「マイクは私より年下なのよ。美鈴ちゃんと同じくらいかも?」

と教えてくれた。なんと!その年齢でヒルズクラブの会員!?なのに彼女がいないなんてどんだけイケてないかわかるでしょ(笑)

 エレベーターで上の階へ上がると、ホテルのレセプションのような綺麗な入り口があった。まるでインテリアの一部のような大きなワインセラーの横を通り個室へ案内されると、綺麗な夜景をバックにおじさまたち3人と先に来ていた紀香さんのお友達2名がいらっしゃった。私は若手社長を想像していたので、どうしていいかわからず、キョトンとしてしまった。

「お待たせしてすみません。」

「いやいいんだよ。先に飲んでましたから。」

とりあえず私は目立たないように端の席を選んだ。すぐに自己紹介が始まり、場にふさわしくなくなぜかおじさまたちは私たち女性に名刺を配り始めた。3人全員が一部上場の会社の代表取締役社長だった。