そういえば、最近真面目なOLライフを送っていたせいで、社長コンパにも誘われなくなりスポンサーもめっきり減ってなんか退屈だなと思っていた。しばらくぶりに新規開拓をしてみたくなり、バブリーなお遊びの代名詞である紀香さんに連絡をしてみた。

「美鈴!ここよ!」

待ち合わせ場所の新宿アルタ前で一際目立つ容姿でこちらに手をふっていたのは紀香さんだった。

「久しぶり〜。元気ぃ??」

「元気です〜。紀香さん、なんだか年々若くなっていきますね!」

30才になる紀香さんは、まだ109ギャルブランドの、しかも露出度の高いワンピを着てキャピってた。

「どうするどうする?とりあえずお茶する?」

「じゃお茶しましょ〜。」

伊勢丹に向かおうと話しているとき、私はとある人からの視線を感じていた。紀香さんも同じく気になっていたようだった。

「美鈴、さっきからあのオジサマに見られてるよ。」

「え?私?紀香さんが美人で目立つので見とれてるんじゃないですかぁ?」

「絶対美鈴を見てるって!」

私はそのオジサマの顔を凝視した。

「あっ!」

思い出した。あの時お世話になった某グループ会社の会長だ!