オフィスレディの裏の顔

私は吉田さんの頬をパチパチ叩きながら、何度も声をかけた。

「吉田さん!?大丈夫!?」

「・・・」

私が一生懸命状況説明をしても、吉田さんの表示は動かず何もしゃべらない。とりあえず彼に水をを飲ませ、ちゃんと目が覚めるまで一緒にその場に座っていた。私はマッキーに耳打ちした。

「また寝ちゃうと行けないから、今のうちにタクシーに乗せて行き先告げちゃいましょう!」

私とマッキーでそれぞれ吉田さんの左右の腕をつかんで立たせようとしても、なぜか抵抗してすぐに座ってしまう。私は段々面倒臭くなってきた。それにやっと気づいてくれたのか、単に頭が起きてきたのか、吉田さんは1人で立ち上がった。

「帰る。」

吉田さんが駅のほうへ向かって歩きだした。

「マッキーは車近くに止めてるんだよね?吉田さんもう大丈夫みたいだから、私駅まで一緒に行くね。」

「わかった。じゃお疲れ〜。」

「ありがとう。おやすみなさい。」

私はマッキーとバイバイしたあと、すぐに吉田さんのあとを追いかけた。渋谷駅に向かう地下通路で吉田さんに追いつくと、彼は甘えてるのか私の手を握ってきた。こんなとこもしマッキーに見られたら気まずいじゃない・・・そう思いながらも、普段会社では威張ってる風の彼にこんなかわいい一面があるのかと思うと、この先もどんな行動をするのか興味があって私はそのまま手をつないで駅まで向かった。