オフィスレディの裏の顔

「最後に、あなたスカートが短いわ。もう少し長いのにしてください。」

こればかりは納得できなかった。普通に膝より少し上の長さはある。だいたい高野リーダー自身が高いヒール靴だしスカートだって私と変わらない丈だし何が違うの?彼女が背が小さいから、それだけ目線が下がっていて私のスカートが短く見えるんじゃないの?あたしの美足がそんなに憎い?高校生でもあるまいし、何なのよ、この言われようは!さすがに頭にきて、席に戻ってすぐに派遣営業の千野さんにメールをした。千野さんはすぐに飛んできた。高野リーダーを通さず、外線で直に私を呼び出し、ビルの1階までエレベーターで降りてそこで話を聞いてくれた。

「スカートが短いと注意されたと言うからどれだけ短いのかと思ったら普通じゃないですか。」

「ですよね?言いがかりなんですって!」

「水沢さん、かわいいから嫉妬されるんですよ。気にしないでください。明日、部長とすぐアポをとって僕から話をしますから。」

「でもそんなことしたら、チクったみたいでまた仕事がやりずらくなるんじゃ・・・」

「大丈夫ですよ。何のための営業ですか!僕を信頼してください。」

社会人なりたてほやほやの彼だけに不安はあったけど、まぁ1人で戦うよりはマシだと思った。