オフィスレディの裏の顔

 あの時、私が恵一さんの携帯の留守電にメッセージを残したことで、彼が着信番号にコールバックをしてくれて、それから私たちの関係は続いた。とは言っても1ヶ月に1〜2回、食事をご一緒させていただくだけ。それでも毎回、同じ額のお小遣いをタクシー代としていただいていた。私に魅力がないのか、歳が離れすぎてるのか、好きすぎて手が出せないのか、そう言った行為に興味がないかできないのか。別に恋心が芽生えたわけではないけど、すごく不思議に思っていた。恵一さんはフリーで仕事をされていて、会社に属してるわけでもなく、名前とこのホテルに住んでいると言う情報だけではどこか信用にかけた。なので私の友達も一緒にと旅行に誘われることもあったがお断りしていた。

 そんなお付き合いは2年以上続いたが、半年前、長期出張でアメリカに行かれることになり、遊びにきますか?と受けたお誘いをお断りしてからは会っていなかった。素敵なあしながおじさんとして、そのまま私の胸に閉まっておけばよかったのに、私はただ退屈なOLの日常に何か変化を求めたくて、恵一さんに電話をした。

「もしもし?」

「はい。」

「ご無沙汰しております。美鈴ですが・・・」

「はい。わかります。取り込み中なのですぐにかけ直します。」

そして電話は切れた。ひさびさだし私からの電話だとわからずとったのだろうか?それで切られたのだろうか?連絡しなければよかったかなと少し落ち込んだ。