そして1時間後くらいに、よっちは家に来てくれた。
「卵とネギとコンソメ買ってきたで。」
「本格的だね。」
「時間かかるから寝とってや。」
「よっち、どこに何があるかわからないでしょ?」
「てきとーに探してやるから心配せんでええで。」
「ありがと。じゃ横になってるね。」
こんな優しい彼氏ははじめてだった。過去のお付き合いを色々振り返えれば・・・腹痛を訴え救急車を呼んで!と訴えても目の前で冗談言うなよと笑って見ている彼氏や、吐いて立つこともできない時に病院に連れてってと電話をしたら自分で行け!と冷たい返事で遊んでても帰ってこない彼氏だったり・・・自分の男の見る目のなさに情けなく、布団の中で思い出して泣いてるうちに寝落ちしてしまった。
しばらくして、いいにおい目を覚ますと、よっちが横に座って私を見ていた。
「いつから見てたの?」
「ずっとや。もう1時間くらいかな。」
「やだ、はずかしい。早く起こしてよ。」
「ええやん、減るもんじゃないし見たくらいで。かわいかったで。」
よっちは冷たいタオルを私のおでこに当ててくれていた。まだ熱が下がっていなかった。
「ご飯食べるか?」
「うん、いいにおいする。」
「起きれるか?」
「うん。」
よっちはおかゆを温めなおしてくれて、私に食べさせてくれた。スプーンですくったおかゆをフーフーと冷ます姿は真剣だった。男の人は本当に好きな子にはこういうことをするんだろうか。こんなテレビで見るような光景を自分がされるとは。なんだかこっぱずかしかった。


