オフィスレディの裏の顔

その後悔はこんなところにまで波及した。ライブ後にご飯を食べに行けなかったことが心残りのマナブは、その後何度か食事のお誘いのメールをしてきた。最初私はメールを無視をしていた。でも何通か受け取ってるうちに無視するのは心苦しくなり、傷つけないようにお断りする方法を模索したが結局いい答えは見つからなかった。よっちに相談すれば不安がられるだろうし・・・・そうやって1人で悩んでいることが体に負担をかけてしまったのかもしれない。ある日、会社でパソコンにむかって仕事をしているとき、急に冷や汗が出てきたと思ったら、気を失いそうになった。

「水沢さん、顔青いけど、大丈夫?」

同じチームの隣の席の山谷さんが、座席に座りながら揺れている私の異変に気づき声をかけてくれた。そのまま私は床に倒れた。

「大丈夫??救急車呼ぶ?」

「いや、大丈夫です。お手洗いに行きたい・・・」

山谷さんに肩を支えてもらいながら私はトイレに向かった。そして個室に入るとすぐに吐いてしまった。

「水沢さん!!大丈夫?」

個室の外から声をかけてくれる山谷さんになんとか返事をした。

「大丈夫です。すこしここにいるので、山谷さんは席戻ってくれて大丈夫です。」

「わかった、リーダに状況伝えに一旦戻るね。」

そのあと何分かして事態を聞きつけたマリコがやってきた。

「みすず!大丈夫?戸あけれる?」

「う、ん・・・」

戸を開けるとマリコがびっくりした顔で私の背中をさすってくれた。

「吐いたの?」

「うん。」

「まだ吐きそう?」

「ううん、大丈夫。」

「じゃあ休憩室に行こ。少し横になって休んだほうがいいよ。」

「ありがとう。」

私は休憩室のベッドで横になってすぐ寝落ちしてしまった。30分くらい寝てたのだろうか?よっちの声で目を覚ました。

「?」

「みすず、大丈夫か?」

「よっち、どうしたの?」

よっちのほうを見ると、その後ろにマリコと鶴見さんもいた。

「外から帰ってきたら、マリコちゃんが、みすずが倒れたって教えてくれてな。びっくりして様子見にきたんや。」

「ありがとう。」

「うるさかったか?起こしてごめんな。」

「ううん。」