オフィスレディの裏の顔

数時間後、私はお手洗いに行きたくて目を覚ました。私のベッドの横には、床に膝をついた姿勢で私の手を握りながら寝ている吉田さんがいた。私は手をほどいて吉田さんに声をかけた。

「吉田さん!?」

全く反応がない。私はなんどか声をかけ体を揺すり彼を起こした。

「ん?何もせーへんから手だけ握らせて。」

半分寝言のように彼はつぶやいた。

「わかりましたから、ベッドに横になってください。」

私はベッドに彼を寝かせようとしたが、重たくて移動させれなかった。とりあえずお手洗いを済まてから再度、何とか彼をベッドまで運ぼうとしたけど重たくて彼を持ち上げることができなかった。

「ここにおらせて。」

「私寝ますよ?」

彼は首を立てにふってうなずいた。私は眠かったしこれ以上つきあうのも面倒になって、そのまま放置してベッドに入った。すると、彼は私の手を再び握ってきた。

「こうしとってええか?」

私は答えることなく、手を握られたまま彼を放置して寝た。朝になって私が目を覚ました私は隣のベッドに目をやった。吉田さんがいない・・・飛び起きてベッドの下を見ると、彼は床で寝ていた。

「吉田さん!もう朝ですけど・・・大丈夫ですか??」

「・・・」

「吉田さん?」

「ああ・・・・」

かれは機嫌悪そうに目をあけた。

「会社行くでしょ?」

「ああ・・・・」

「吉田さん!聞こえてる?」

一瞬、間があったけど、すぐに彼は飛び起きて時計を見た。時間は7時すぎだった。

「あ~。どうしようかな。」

そういってソファーへ移動し座った。

「吉田さん、私午前休してもいいですけど・・・」

「え?大丈夫なん?」

「だって、吉田さん床で寝て疲れてるでしょ?もう少しベッドで寝てていいですよ。」

「マジ?うれしいわー。ってかオレなんで床で寝ててん?」

「覚えてないの?」

「なんとなくしか・・・」

午前休みを決めた私たちは、2度寝をすることにした。再びベッドで寝入った彼を横にして、こんなに高いお金をつかってお部屋までとったのに、本当に何もしないんだなあ、とちょっと関心し、寝ている間にこっそりホッペにキスをした。彼の誠実さに、すこしだけきゅんとしてしまったのだ。