オフィスレディの裏の顔

「寒くないか?」

「ちょっと寒いかも。」

「何か暖かい飲み物とか頼もうか?」

私はうたずき部屋に入ると窓際のソファーに腰掛けた。と、テーブルの上に小さいお花がそえてあるメッセージカードがあることに気がついた。

「これって・・・」

「読んでみて。」

私はカードを手にとって読んだ。吉田さんの直筆で今日はありがとぅという内容が書かれていた。なぜかわからないけど私は感動して涙が出てきた。

「どうして私にこんな素敵なことしてくれるの?」

「ただしたかっただけや。それにいっぱい迷惑かけてるしな。渋谷の時とか。」

「でもそれはお財布を既に頂いてるし。」

「気にせんでえぇよ。」

彼が私のことを好きだという噂を聞いていたし、私はその気持ちに答えるつもりはなかったので、ただただ申し訳ないと罪悪感にかられ泣いた。彼は私の横にきて、手を握っていた。

「ごめんなさい。」

「何がや?」

「何でもないです。」

少し沈黙がはしった。

「ルームサービスで何か頼もうか!?」

吉田さんが明るく振る舞ってくれた。

「はい。あ、吉田さんビール飲みたいでしょ?運転しなくてよくなったから頼んで。」

「そやな。」

そうしてまた部屋飲みを始めた。私もまた酔いだしてだんだん眠くなり、ソファーでうとうとしてしまった。

「水沢さん?風邪ひくからベッドでちゃんと寝や。」

私は首をふって返事をし、ベッドに向かってそのまま横たわった。

「服シワになるで?」

聞こえてはいたけど、まさか会社の人の前で下着姿になるわけにもいかず、無視してそのまま寝入った。