オフィスレディの裏の顔

「美味しい!」

「そうか?喜んでくれてよかったわ。これは水沢さんの食べたかったフォアグラと同じ?」

「付け合わせ素材とか、見た目ちょっと違うけど・・・でも美味しい!」

「俺の分も食べてええよ。」

「こんな高カロリーなものたくさん食べたら太っちゃいますよ。」

「水沢さん痩せてるんだから、少し太ったって平気やで。いっぱい食べ。食べな次の料理も出てこんで。」

私は遠慮なくパンのおかわりまで頂いて食べた。社長とここへ来る度に、いつか彼氏と来れたらな、と思っていたことを思い出した。吉田さんは彼氏じゃないけど、でもオジサマじゃなく若者とこんな素敵なデートができるなんてすごくうれしくて、私は機嫌よく酔っていた。

「水沢さんの酔っ払う姿初めてやな。」

「いつも吉田さんが酔って寝ちゃうからですよ。」

「そうか。悪いなぁ。」

「吉田さん、私もうおなかいっぱいです。」

「デザートは?」

「食べたいけど本当におなかいっぱいで。」

「2人で1つ頼むか?残ったら俺食うし。」

「はい。」

私ははしゃぎながらメニューを見た。

「じゃぁ、これ!」

吉田さんはスタッフを呼んでオーダーをした。その時何か話していた感じがしたけど、小声で私には聞こえなかった。おなかも満たされ眠くなってきた私は、窓のほうを向いてボーっと夜景を眺めてた。

「水沢さま。」

突然スタッフに声をかけられふりむくと、目の前に花束があった。

「!?」

私は吉田さんの顔を見た。彼は驚く私を笑って見ていた。

「吉田さまからです。」

そう言ってスタッフは私にその花束を渡してくれた。どうして?今日は私の誕生日じゃないし・・・