マリコと鶴ちゃんの恋のかけひきに巻き込まれていた頃、私1人で背負うには重たい面倒な内容を誰かと共有したくて、会社の先輩の吉田さんに相談をしていた。まだ学生の彼氏のマナブでは役不足だったのだ。吉田さんなら2人をよく知ってるし、私の気持ちを理解してくれると思った。私は吉田さんを誘って2人で飲みに行った。

「え〜!あいつら付き合ってるの!?気づかなかったわ〜。なんや!おっさんエロいな〜!仕事せーや。」

「私しか知らないんですから内緒にしてくださいね。」

「気持ちわるいなぁ。俺には前の奥さんと寄り戻すって言ってたけど・・・もしかして離婚の原因もあいつの浮気か?」

「まぁ・・・マリコから声かけたんですけどね。私も最初は子供がいないならいいんじゃない?って無責任な発言しちゃったんです・・・」

「残業でいっつも深夜帰宅になって奥さんに離婚されそうって言ってたくせに、離婚してから定時で上がるようになって何やってんだ?って思ってたんだよな〜」

「マリコとデートですよ。いっつも一緒に帰ってますから。」

「学校じゃないんだから!」

「それで・・・私がなぜ今頃吉田さんにこのこと暴露したかと言うと・・・」

「なにかあったん?」

「2人の話を聞くのが辛くなってきちゃって。彼女帰国子女だから恥ずかしげもなく・・・夜の生活のことを、細かいクセとかまで話してくるんです。」

吉田さんは爆笑した。私は話を続けた。

「昼間一緒に仕事してるから、そんなことは聞きたくないのに。」

「それはいややなぁ。」

「2人がちょっと仲悪くなると、2人が別々に私に相談してきたり大変なんです。」

「え!鶴見が水沢さんにに恋の悩み相談?ありえね〜」

「最近は2人はまたうまくいってなくて、マリコは死にたいとまで言いだしてるんです。本当には死なないと思いますけど。」

「面倒くさいな〜」

吉田さんは、私の話をキャッキャッ言いながら喜んで聞いていた。そしてだんだんお酒のペースがあがり、ろれつがまわらなくなってきていた。これ以上吉田さんに酔われると寝てしまうと思い、私はお店を変えることを提案した。一端外に出れば酔いがおさまると思ったからだ。