Boys Kissシリーズ・『魔王とのキス』

「俺だけに、ならいいですよ。他はダメですけど、俺なら良いです」

「フフッ…。なら、キミだけにします」

俺の頬を両手で包んで、先生は微笑んだ。

「キミだけに夢中になります。他の事なんか元々何とも思っていませんし」

怖い人だ。前から知っていたけれど、改めて思う。

「だからキミもわたしだけになってください。わたしのことだけ思って、わたしのことだけ見ていてください」

「…ワガママですね」

「恋愛なんて、そんなものですから」

目も眩むような笑顔で、もう一度キスをする。

ああ…これが魔王に愛される気分か。

不思議と心地良い。

魔王を夢中にさせている自分は、もうきっと、普通では無くなっただろう。