「聖河、儂はしばし出かけてくる。雄河と二人で水入らずで話すがよい。」
幸蔵はそう言いながら席を立つ。
聖河が止めるように手を伸ばしたが、幸蔵は有無を言わさないような厳しい目つきで聖河を見据えた。
「なに、一時間ほどで戻る。おまえも子供ではないのだから、事実としっかり向き合え。」
「……はい。」
聖河の返事を聞き届けると、幸蔵は今度こそ立ち止まらずに出て行った。
残された雄河と聖河の間に、微妙な空気が流れる。
「幸蔵おじさん……気を使ってくれたんですね。では、遠慮や探り合いは無しで、本題に移りましょうか。」
先に沈黙を破ったのは、雄河だった。
笑顔を消して、真剣な表情で聖河を見つめる。

