同日の夕方。 「ネームプレートも外れている……おかしいな。」 宇都町 柳都は、病院の二○七号室の前で首を傾げていた。 二○七号室は比較的日当たりの良い個室で、彼はその部屋に入院しているはずの知人の見舞いに来ていたのだ。 (部屋移動でもしたのかな?それとも……) 「こんにちは。どなたかお探しですか?」 不意に、柳都の後ろから声が聞こえてきた。 振り返った柳都は、声をかけた人物と目が合う。 茶色い髪を後ろで一つに束ね、赤縁のメガネをかけている三十代ぐらいの女性看護士だ。