成長する

「はははっ、勘違いしてもらうと困る。僕は、いや――ウチは昔から、人間じゃないんだ。北に門あり南に塔あり、西に蔵なら東に城あり――。今はどれだけの人が知ってるだろうね、この示し歌。この土地は昔から、鬼が巣くっていたんだよ。僕はその鬼さ」

「お、に……?」

「そう、だから人間のやることじゃないのは、当たり前。――さ」

兄が、美幸の脳味噌を軽く持ち上げる。

「君の首に美幸を入れて、琴美っていう子の足を接いで、あと何人かから採取した、ちょうどいい具合の手足をつければ、美幸は生まれ変われる。親友なら、それくらいできるね?」

「おことわ