成長する

「――あ、そろそろチャイム鳴るよ?」

「え?」

美幸の体内時計が、授業の始まりを告げた。

一秒ほどを置いて、本当にチャイムが鳴る。

奈美が感心した。

「本当、美幸の体内時計は正確ね。予知みたい。驚くわ」

「あっ、あたしも正確だよっ!」

「アンタのは腹時計よ、バカ」

「あはは」

それから一分もしないうちに、教師が入ってきたのだった。