高い崖の上で、魔鳥フウガは降り立った。


ソフィアとリッチは魔鳥フウガの背中から降りた。


そして、ソフィアは崖の端に二つ並んで建てられているお墓に歩み寄った。


リッチはソフィアがお墓を拝んでいる間、魔鳥フウガの見張りと世話をした。


『父上…母上…』


ソフィアは二つ並んだお墓の前にしゃがみ込み、静かに手を合わせた。


『必ず…父上の仇を討ちます。父上を倒した伝説の勇者をこの手で必ず…。だから、空の彼方で母上と共に幸せに暮らして下さい…』


そう告げたソフィアの目からは一滴の涙が零れた。


『ソフィア様…』


そんな姿を見たリッチは少し悲しげな表情を見せた。