でもその割りには、本気で怒っている風ではなく。
諦めをいりまぜながら、またしても盛大に息を吐いていた。
サキは机の中からノロノロと教科書等を出し、カバンに詰めはじめる。
彼女と話すとっかかりに出来る話題を思いつかなくて、
でもその場を離れるにはなんだか後ろ髪をひかれる思いがして、
私は頭をフル回転させた。
それでも話題を思いつきはしなかったが、
幸いにして、サキのほうから口を開いてくれた。
「だいたいさ、アキは性格がねじ曲がってんだよ。
いいヤツだとは思うけど。
少しは可愛げのあるとこもあるし。ほんの少しだけだけど」
独り言をぶつくさ言いながらも、後半は私に教えるかのようにいう。
だから私は、下手な口を挟まずに、彼女の話をじっときいていた。
「あたし、雫なんて女の子らしい名前、願い下げなんだよね。
似合わないじゃん。
アキもそこらへんは尊重するとかなんとか言ってたから、よっぽど腹の虫の居所が悪かったんだろーね。
あんた一体なにやったの?」
突如私に話題が振られてびっくりする。
「私は何も……」



