【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ



不意に投げられた質問に思考が止まった事で、感覚が麻痺したのか。


睨みつける彼女に全く怖さを感じない。


ここ数日で、あまりにも立て続けに、色々と考えなきゃならない羽目に陥ることが起きたことによる、

軽い現実逃避のなせる技だろうか。


当面問題にすべきは、彼女の発した言葉だという認識があるからか。


どうであれ、私が怖がろうが怖がらなかろうが、彼女にはなんということはないらしい。


威嚇したわけじゃないからなのだろう。

敵愾心を感じなかった私はそれなりに当たってたみたいだ。



彼女がアキといったのは恐らく秋月会長のことだろうと見当がついた。


私が乗ったバイクは、生まれてこのかた秋月会長の後ろだけだし。


でも念の為、こっそりと質問する。


「アキって、あきづ──」

「バカ」


言葉は途中でせき止められ、伸びてきた手に、強いチカラで口を塞がれた。


ふがふがと情けない息が漏れる。


中腰になって正面から睨みつける彼女の瞳にも、チカラがこもる。


先程とはうってかわって、その視線には、血をみるんじゃないかという殺気がオーラのようにまとわりついていた。