私がここに追ってきたのは秋月会長の筈だったのに、
いつの間にか、
私の頭と視界と心を占めていたのは、ユキトさんで。
きっと私のせいで怒られたのであろう秋月会長よりも、
強く印象づいてくる。
ごめんなさい、と口の中で呟いた。
何に対して謝ったのか、自分でもよくわからない。
誰に対してなのかも。
秋月会長へのようでもあるし、ユキトさんへのようでもあった。
ごめんなさい、ともう一度呟く。
これは秋月会長へのもの。
私のせいで怒られる羽目になってごめんなさい。
そんな気持ちを込めた。
挨拶に立つ秋月会長は、前を通る生徒たちを見ているのかいないのか、
半ば機械的に声を掛けている。
人に興味のなさそうな態度。
朝の挨拶でくらいしか彼の事は知らないというのに、それは私が彼を苦手に思う言動のひとつ。
朝からあんな辛気くさい挨拶をされたら、気が滅入って仕方ない。
でも今日は、もしかしたらそれにも何か理由があるのかもなんて、思ってしまった。
挨拶に遅れたのは、私が原因の一端だったように。



