私は、生徒会の人たちが正門で朝の挨拶をしているのは、ちゃんと知ってたのに。
秋月会長があまりに横暴だから、私はそこまで頭が回らなかった。
バイクのこととか、何で迎えに来るんだろうとか、そんなことばっかり考えていて。
秋月会長が何かを犠牲にして私を迎えに来てるだなんて、考えてもみなかった。
迷惑に思いながらも、完全な拒絶をしなかったのは、私のズルさ。
そして私はここでもまた、頭の中にひとつのことしか考えられてなかった。
視界に秋月会長が映ったとき、私の足は走りだした時と同様、気づかないうちに止まった。
見えたものに激しく動揺して、立ち止まった。
挨拶に立っていたのは、秋月会長だけではない。
会長ではない人影に、視線が吸い寄せられる。
会長の隣には、ユキトさん。
がくんと力が抜ける。
そうだ。
なんで気付かなかったの。
朝の挨拶をするのは、秋月会長だけじゃない。
ユキトさんもだ──



