「あの、もう大丈夫です……」 抱えられているのが恥ずかしくて、一体誰に抱き抱えられているのか、顔も見れない。 消え入りそうな声だけど、私はそう言って、おろされるのを待った。 いつまでも抱えられているのは申し訳なくて、 だからそう言ったのに。 「……」 無言かよ!! 「あの……」 もう一度言おうとしたとき、ガラリと保健室の戸が開いた。 その人の両手は私でふさがっているにもかかわらず。 ……エスパー?