秋月会長は、男たちと私の間にからだを滑り込ませていた。
私から見えるのは、秋月会長の広い背中。
「んだよ、男連れかよ」
ひとりの男が、ぼやいた。
「いってぇなぁ……男連れだろうがなんだろうが、関係ねぇよ」
「まぁ、やられっぱなしじゃいらんねぇよなぁ」
肩を押さえて顔をしかめる男を、にやにやと哄笑してハッパをかける男。
細身に見える秋月会長だから、二三発殴れば言うこときくと思ってるのだろう。
どう見たってケンカ弱そうだし、ストレス発散のいい的が出てきた、くらいにしか見られてないのは明らかだった。
逃げよう、と秋月会長の袖を引いたのだが、ぴくりとも動かない。
会長の顔は、私からは見えないから、何を考えているのかさっぱり掴めない。
「つーわけでさ。カレシ、怪我しないうちに逃げたほうがいーよ? あ、女の子は置いてってな」
無茶な要求を突きつけた男に、秋月会長は小馬鹿にしたように小さく笑った。



