理不尽な感じはするけど、手を払いのけることはせず、大人しくされるがままにしておいた。
映画はじわじわと恐怖を煽り、からだが勝手にびくんびくん跳ねる。
くる、くる……とわかって身構えているのに、予想通りに現れてもやっぱり飛び跳ねてしまうのは何でだろう。
散々驚かされ、怖がらせられ、ようやくエンディングを迎えたと思ったら、
実はまだ……という続編を予感させるような終わりかたを観て、
ぶるりと身震いする。
絹をさくような悲鳴が効果音として流れ、思わず私も悲鳴を上げるところだった。
劇場が明るくなってやっと息を吐いたとき、秋月会長の手を力一杯握り締めてしまっていたことに気付いた。
慌ててパッと離すと、カクンと頭が崩れる。
──え?
凝視するまでもなく、秋月会長は私の隣で両目を閉じていた。
完全に寝落ちている。
今の映画で何処をどうしたら眠れるのかは謎だが、実際眠ってるんだから仕方ない。
場内にはもう私たちしか残ってないし、起こすために声を掛けた。
「会長……秋月会長」



